(鉄筆)時代

(鉄筆)時代
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 1月に「20歳の集い」に参列した。民法が改正され2022年に成年年齢が18歳に引き下げられ、「成人式」が名称変更されている。冒頭、能登半島地震で犠牲になられた方々に対し黙祷(もくとう)が行われた。1000人余の若者が集まっていたが、1分間式場は水を打ったように静まり返っていた。当然のことなのだが、正直ホッとした。

 15年前、同じ自治体の成人式にスタッフとして出席したが、首長のあいさつ中に壇上に上がろうとした若者を取り押さえ、別室に連れて行き教え諭したことがあった。そのため、何が起こるか分からないと思っていたからだ。不安をよそに式典は滞りなく温かい雰囲気の中で終了した。

 今年の新成人は106万人、前年より6万人減少し過去最低になった。高度経済成長期の1970年のピーク時は246万人。

 この70年代半ばに、中島みゆきの『時代』という楽曲が発表された。「まわる、まわるよ、時代はまわる 喜び悲しみくり返し」という一節がある。辛い(つらい)こと、悲しいことばかりが続いているように感じることがあっても、前向きに努力をすれば必ず楽しいこと喜びを感じることが巡ると歌っている。この曲に何度も救われた。

 今の若者には、劇的に変化する社会、先行き不透明な世の中を生き抜き、次代を支え、さらに発展させていってもらわなければならない。夢や希望も持ちにくくなってきているが、時代はまわり続ける。どうまわしていくのかを決めるのは一人一人の若者自身である。新成人に未来を託しつつ、心からエールを贈りたい。

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