ICT支援員、4校に1人の配置で妥当か 中教審特別委で意見

ICT支援員、4校に1人の配置で妥当か 中教審特別委で意見
学校のICTを巡る課題について議論する委員=オンラインで取材
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 中教審のデジタル学習基盤特別委員会は2月26日、オンラインと対面のハイブリッド方式で第3回会合を開催した。委員からはICT支援員やGIGAスクール運営支援センターなど、学校現場のICT支援体制に関する意見が相次いだ。特にICT支援員については、文部科学省が掲げる4校に1人の配置という目標が妥当なのかという意見もあり、業務内容などについて新たにワーキンググループ(WG)を設置して検討すべきとの声もあがった。

 会合では、今月22日に開催された「次期ICT環境整備方針の在り方WG」の議論の内容などが示された。それによると、ICT 支援員は2022年度末で約4.6校に1人の配置にとどまり、目標に届いていない。一方で同WGの委員からも、ICT支援員の業務内容の明確化や共通理解などの必要性が指摘されていた。

 これらを受けて、委員からはICT支援員をはじめとした学校のICT支援体制についての意見が複数出た。

 ICT支援員の働き方について五十嵐晶子委員(教育ICT環境アドミニストレーター協会理事長、合同会社かんがえる代表)は「端末を持たせてもらえなかったり、アカウントがなかったり、さまざまなアプリケーションを使えないといった状態で、業務にあたっている人もいる。教員たちは何でもできると思ってICT支援員に接するが、『できない』『使えない』ということがお互いのストレスになっている」と説明し、業務内容の明確化を求めた。

 また文科省が示す、4校に1人配置の目標についても「全然足りていない」と言及。「4校に1人だからといって、月に1回しか訪問できないのであればほとんど意味はない。4校に1人は、週に1回それぞれの学校に行けるかという限界の人数。しかし正直、3校が限界とも感じる」と説明した。

 藤村裕一委員(鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授、教員養成DX推進機構長)は「ICT支援の人材についてはWGを新たに設置して、検討すべき内容なのではないか」という見解を示した。

 同じく梅嶋真樹委員(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授)もICT支援員やGIGAスクール運営支援センターの役割についてさらに踏み込んだ議論が必要と指摘し、「例えば教員が(ICT関連で)困ったときに、電話での相談窓口が都道府県か市町村、どの単位で設置するのが効率的かなど、今後議論が必要だ」と述べた。

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