東京都の公立小学校 3学期当初に約160人の「教員不足」

東京都の公立小学校 3学期当初に約160人の「教員不足」
iStock.com/takasuu
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 東京都内の公立小学校(約1270校)に本来配置されるべき教員について、3学期の開始時期にあたる1月9日時点で約160人の欠員が発生していたことが3月1日、都教育委員会への取材で判明した。こうした「教員不足」は、年度始め(約80人)や2学期の始業時期(約140人)よりも悪化していた。年度途中で病気による休職者や自己都合での退職者が出た場合、代役を担う「臨時的任用教員」を確保することが困難な実態が改めて浮き彫りとなった。

 都教委によると、欠員が生じている最大の原因は、教員採用試験の倍率の低下だ。2023年度に実施した試験では、小学校教員の受験倍率が1.1倍まで下落。不合格者が少ないために、臨時的任用教員をしながら正規採用を目指す人が少なくなっている。また、国の政策として、従来は40人だった小2~小6の学級編制の上限を、25年度まで5年かけて35人に引き下げる取り組みが進められており、教員需要が増えていることも影響している。

 都教委は元々、都内の全ての公立小学校に対し、算数の習熟度別授業を実施するための独自の加配教員を1人ずつ置いており、欠員が出ている小学校では、こうした教員を学級担任に回すなどして対応しているとみられる。都教委は、教員免許を持ちながら教壇に立っていない「ペーパーティーチャー」の掘り起こしなど、改善に向けた対策を進めている。

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