(鉄筆)東京都渋谷区

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 東京都渋谷区の全区立26小中学校は、2024年度から「総合的な学習の時間」を年間150時間以上実施との報道があった。5・6時間目を充てて「探究学習」を充実する。文科省が22年度に始めた「授業時数特例校制度」を利用。6~9教科の授業時数を1割ずつ削減して総合の時数に上乗せする。現在70時間の2倍以上になる。

 長谷部健・渋谷区長は「探究は各教科で学んだ知識を総合的に生かし、問題解決や創造力を育む取り組み。地域の企業や専門家の協力を得ながら、渋谷の街全体を学びのフィールドとして子供主体の学びを実現していく」と語っている。他地区に広がることを期待する。

 心配は学校、教師の負担過重。総合が始まったとき、移行期間に音楽や図画工作などで削減された授業時数を生かし、140時間総合をやってもよいとされた。実際にやってみると大変だった。

 内容の選択、教材の研究開発、指導計画の作成、地域や関係機関との協力・連携、体験的な学習の準備や指導体制の確立。全面実施では105時間になり、次の改訂で70時間になったが、今の教育体制の中でも充実できることを実感した覚えがある。

 ことは総合だけではない。学校の教育目標に始まり、社会に開かれた教育課程全体、カリキュラムマネジメント、子供の学び方の改善など教育体制を根本から見直すべき事柄である。区教委は今後、地域や企業と連携を図るポータルサイトの構築や教員向けハンドブックも作成する。学校からの要望を受け止め無理なく実施できるよう支援が必要である。

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