(鉄筆)現金や商品券

(鉄筆)現金や商品券
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 「政界だけでなく教育界でもこんなことがあるのか」と思われた方が多かったと思う。ある教育委員会の管下には各区の校長会の他、教員の出身大学や出身高校、担当教科ごとの団体が全部で80以上あり、毎年、人事が検討される夏、教委の人事担当者はそれらの団体から、校長や教頭、教務主任に推薦する教員の名簿と現金や商品券を受け取っていた。

 20年以上慣習として続いており、今年度受け取った額は200万円を超えるとのこと。人事の検討の業務が連日、朝早くから夜遅くまで続くため、その陣中見舞いだという。それならば、推薦名簿を一緒に渡す必要はない。現時点では教委は人事に影響はないというが、果たしてそれを証明できるのか。

 公務員として遂行する業務に対して、利害関係者から金品を受け取ることがどのような意味を持つのかを認識していたのだろうか。「瓜田に靴をいれず、李下に冠を正さず」である。名簿と金品を受け取ることが慣行となっていて、何ら疑問を抱かなかったのだろう。どこかの政党と同じではないか。

 反対に、名簿と金品を渡す方はどうだったのか。名簿と金品を渡す行為が、自分の団体の利益になると思っていたのならば、公務員が全体の奉仕者として公共の利益のために働くという視点を失っている。

 金品の出所が団体の会費だとしたら、それは予算書などにも記載され、会員も承認していたことになる。団体が丸ごとこの行為に加担していたことになる。このような前時代的な行いは一掃しなければならない。教育関係者一同が心してほしい。

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