医療的ケア児の付き添い解消「必要な情報提供行う」 盛山文科相

医療的ケア児の付き添い解消「必要な情報提供行う」 盛山文科相
記者会見で質問に答える盛山文科相=撮影:大久保昂
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 たんの吸引などの医療的ケアが日常的に必要な子ども(医療的ケア児)への対応を巡り、総務省が文部科学省に対し、保護者の付き添い負担の軽減を含めた就学支援策の充実を求める通知を出した(参照記事:小学校の医ケア児支援を調査 付き添いや災害対応が課題に)ことを受け、盛山正仁文科相は3月12日の閣議後記者会見で「教育委員会や学校に必要な情報提供を行うことなどを通じ、総務省の指摘にしっかり対応していく」と述べた。

 2021年に施行された医療的ケア児支援法は、医療的ケアが必要な児童が就学する際、保護者の付き添いがなくても必要なケアが受けられる体制整備を学校設置者に求めている。ところが、総務省が22年12月~24年3月、32市区町村教育委員会の小学校の対応を調べたところ、ケアを担う看護師が休みの日や校外学習などの際、保護者が付き添いを余儀なくされている事例が数多く確認された。

 また、医療的ケア児が入学してくることを把握するタイミングが遅れ、看護師の配置が間に合わなかったケースもあった。学校への付き添いが保護者の離職・休職につながっているとの声もあることから、総務省は3月8日、文科省に対し、保護者の付き添いが発生する状況や原因を把握し、市区町村教委に解消を図るよう促すとともに、関係部署と連携して医療的ケア児を入学前の早い段階で把握する取り組みなども後押しするよう通知した。

 こうした指摘に対し、盛山文科相は12日の記者会見で「文科省はこれまでも、学校における医療的ケアの実施体制の充実に努めている」と強調。具体例として、24年度当初予算案で全国の小中学校や高校に看護師を配置するための補助金を増額したこと、看護師の確保や配置方法の改善に向けた調査研究に乗り出す予定であることを挙げた。その上で、全国の教委などに対し、総務省の指摘を念頭に置いた情報提供を改めて行う考えも併せて示し、「医療的ケア児支援法の趣旨を踏まえた取り組みが各校で行われるよう支援に努めていきたい」と話した。

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