2025年度から使われる中学校教科書の検定結果が公表された。マスコミはQRコードを学習端末で読み取って利用するデジタル教材が大幅に増えたことを取り上げていた。その分、教科により平均ページ数が減少しているとある。内容の精選になっているのだろうか。
分からないところなどについてQRコードからデジタル教材に入って学習し、分かったり興味・関心が広がったりすることは望ましい。しかし、デジタル教材は補助教材なので検定の対象外。内容や資料などむやみに増やしていないか、生徒の負担にならないか、内容に間違いはないのか。便利なだけに自ら調べようとせず受け身になりがちとの声も聞こえる。
人気YouTuberのヒカキンさんや大谷翔平選手、藤井聡太竜王など多くの著名人も登場する。生成AIを取り上げている教科書もある。学校、教師、教育委員会は新教科書をしっかりと研究・吟味し、生徒にとって望ましい教科書を採択してほしい。
小学校では4月から新教科書の使用が始まる。新1年生は入学式で教科書が渡される。代表の児童が校長から「この教科書でしっかりと勉強してください」と励まされ、「はいっ」と返事して受け取る。式場から拍手が起こる。義務教育が始まる喜びの瞬間だ。
新1年生の教科書にも最初のページからQRコードが目に入る。入学当初はスタートカリキュラムで体験的な学びが主だが、5月に入れば教科書の使用も増える。デジタル教材の使い方をしっかり教えて、教科書で効果的に学ぶ最初の一歩にしたい。