「クラス替えは実情勘案し学校長判断で」 盛山文科相

「クラス替えは実情勘案し学校長判断で」 盛山文科相
学校のクラス替えを巡り見解を述べる盛山文科相=撮影: 山田博史
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 滋賀県守山市の中学校で、新3年生の新年度のクラス分けを発表した後に配慮が足りなかったケースがあったとしてクラス分けのやり直しを決めたことを巡り、盛山正仁文科相は4月16日の閣議後会見で、「一般論だが、クラス替えは児童生徒の実態や各学校の実情等を勘案しながら各学校長の判断で行われるものであり、児童生徒一人一人が安全かつ安心して教育を受けられる学校作りを進めていただきたい」と述べ、各校の事情を踏まえて校長の判断で慎重に進めてほしいとの考えを示した。

 守山市立守山南中学校では4月5日、新3年生の新年度の11クラスのクラス分けを発表したが、人間関係に問題がある生徒同士を同じクラスにしていたことが保護者からの指摘で分かり、クラス分けをやり直すことにした。

 また、福岡県春日市の市立中学校でも今月8日に新2年生のクラス分けが発表された後、保護者からの指摘で、生徒の心身にとって深刻で対応しなければならない事案があることが発覚し、11日に5クラスの編成をやり直した。同市教委は「毎年、保護者からはクラス分けについてさまざまな要望があり、通常は対応しないが、深刻なケースが1件あり、校長判断で対応することになった。学校側の配慮事項の見落としであり、保護者には謝罪している」と説明している。

 こうしたケースについて盛山文科相は「詳細な状況を把握していないので、現段階で個別具体的なコメントはできない」と述べつつも、一般論として、「クラス替えは児童生徒の実態や各学校の実情等を勘案しながら、基本的には教育上の観点から各学校長の判断で行われるもの」として、現場の事情を踏まえながら校長の判断でクラス替えを進めるべきとの考えを示した。

 その上で盛山文科相は「生徒指導提要では、あらゆる場面で児童生徒が平等な立場で互いに理解し、信頼した上で、集団の目標に向かって励まし合いながら成長できる手段を作ることが大事だとしている。文部科学省としてはその趣旨を踏まえつつ、各学校で児童生徒一人一人が安全かつ安心して教育を受けられる学校作りを、それぞれの学校で進めていただきたいと考えている」と見解を示した。

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