先日、交差点で信号待ちをしていた。4人の保育士が2歳くらいの子供たちの手を引いて歩いてきた。何ともほほ笑ましい光景だった。信号が変わるのを待つ間、保育士たちは手をつないだまま子供たちと交差点の間に立ち、背を向けながら車の往来を確認していた。子供たちを交通事故から防ぐために保育士たちは、盾になっているのが分かった。
今年も4月6日から15日までの10日間、春の交通安全運動が行われた。各学校でも子供たちを交通事故から守るために、さまざまな指導を行ったことと思う。
警察庁によると2018年から5年間に起きた小学生の交通事故は、状態別では歩行中の事故が最も多く約6割。1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3・2倍。1年生の交通事故の第1のピークは5月中旬で、下校中と私用が多い。歩行中の死者・重傷者の約4割は飛び出しが原因という。
冒頭で触れた保育士は、子供を園外に連れ出す際に保育所で定めた安全対策を順守して、このような対応をしたと考えられる。管理職が教員に指導すること、教員が子供たちに話して聞かせることなど「伝える」ことが大切なのではない。伝えたいことを確実に伝え、相手側がしっかりと理解し、実践に移すことができること、「伝わったかどうか」である。
このような対応が、子供たちの命を守り、事故から守ることにつながる。後悔先に立たず、である。子供たちの交通事故が増加する時期を迎えている。ぜひ、教員や子供に確実に伝わったかどうかを確認しながら指導を行っていただきたい。