2024年度が始まった。20年4月より新しい学習指導要領に基づく教育課程の実施が小学校で開始され早や5年目を迎える。この間の学校は激動の4年間であった。
実施初年の20年度はコロナ禍による一斉休校からのスタートであった。慣れないオンライン授業との格闘に明け暮れ学校が再開した後もコロナ感染の防止を最優先とした指導が続いた。21年1月には中教審から「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して(答申)」が出され、一方で教員の働き方改革が指摘されるとともに教員不足が深刻度を増していった。こうした社会情勢を横目に不登校の児童生徒数やいじめの認知件数は増加傾向にある。実に多くの課題を背負いながら過ごしてきた4年間である。
いま学校にとっての最優先事項は、現行の学習指導要領の定着と中教審答申「令和の日本型学校教育」の実現であろう。例えば、主体的・対話的で深い学びの推進と教師の助言活動による深い学びの進捗状況は各学校ではどうであろうか。どの教科等でも年間指導計画に位置付けられ、その様子を校長は授業観察や週案簿で確認しているだろうか。子供の活動や発言を国立教育政策研究所が発行する評価資料を参考にして教員は適切な助言と評価を行っているだろうか。さらにそれぞれの成果と課題を校長は内外に公表しその評価を仰ぐなど個別最適な学びと協働的な学びの実現とそのための条件整備の不足点を明確にしているだろうか。
各学校ならではの特色ある教育活動を充実させるこの後の5年間になることを期待する。