(鉄筆)令和の日本型学校教育

(鉄筆)令和の日本型学校教育
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 「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)』が5月に公表された。

 日本の学校教育は、教師が学習指導、生徒指導などの面で主要な役割を担う「日本型学校教育」として、全人的な教育を提供していることが国際的にも高く評価されてきたことに触れている。評価の背景には、1972年から今日まで支給されている教職調整額4%の下で勤務を続けてきた教師の努力がある。

 「教育の成果は時間の長さのみに基づくものではない」「勤務時間内に効率よく職務を終えている教師、自発的に教材研究や授業準備に励み時間外在校等時間が多くなっている教師などが相当数存在する実態がある」とある。教師が対応するのは成長途中の子供である。時間を掛けざるを得ない、掛けて初めて解決する問題もある。

 さまざまな対応があり、授業準備は一日の最後になってしまう。教材研究や授業準備は教師の本務である。「自発的」で済ませてしまってよいのか。効率化はなじまない面があるのも教師の勤務様態の特殊性である。

 「業務を精選し効率化を図り、在校時間の短縮化も進め、企業人への免許状の授与、社会人等の非常勤教員としての採用で教員不足の補充も考えられる」というが、授業、教師の質、そして、教師の矜持を保てるのか。授業を通した子供との関わり、子供との触れ合いが教師の魅力であり、多くの教師はこれらに関わる十分な時間の確保を求めている。「教育は人なり」を忘れて、質の高い教師の確保は難しい。

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