教員の負担減らす対策を 学校プールの管理で文科省が通知

教員の負担減らす対策を 学校プールの管理で文科省が通知
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 学校のプールの管理業務が教員の過度な負担になっているとして、文部科学省は7月10日、指定管理者制度の活用や民間業者への委託などの検討や、学校がプール管理を行う場合でも、管理員の配置や自動で給水を止めるシステムの導入などの環境整備を求める通知を出した。ここ数年、学校のプールの注水作業の際のミスなどにより、水があふれてしまう事故が相次いでおり、教員が損害賠償の責めを負う恐れもある中で勤務する状況は望ましくないとの見解を示している。

 通知では、学校のプール管理を担当した教員が、プールの注水作業中に水を止め忘れたために、あふれた分の水道料金を賠償する事例が発生するなど、プールの管理業務が担当する教員の過度な負担になっている事態も見受けられるとし、教育委員会などの学校設置者による必要な支援やチェック体制の構築などが十分に行われないまま、特定の教員にプールの管理が任せられ、教員が損害賠償の責めを負う恐れもある中で勤務する状況は望ましくないと指摘。学校のプール管理業務の教員の負担を軽減するための取り組みとして、指定管理者制度を活用したり、民間業者へ委託したりすることが考えられるとし、こうした取り組みの検討を呼び掛けた。

 また、引き続き、学校でプールの管理を行う場合でも、管理員の配置や自動で給水を止めるシステムの導入、複層的なチェック体制の構築、マニュアルの作成などによって、特定の教員にプールの管理を任せきりにしないようにする環境整備を徹底することを求めた。学校のプールではなく、地域の公営・民営プールを活用して水泳指導を行うことも考えられるとした。

 学校のプールの管理は、文科省が教員の働き方改革を進める上で学校の業務を整理した「学校・教師が担う業務にかかる3分類」のうち、「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」に当たるとされている。

 教育新聞が7月4日から電子版で行っている「Edubate」の読者投票では、一般論として、プールの水を止め忘れた教員が損害を負担することについて、同11日時点で285件の回答があり、そのうち「負担させるべきではない」が78%(222件)を占めている(参照記事:【教員×投票】プールの水の止め忘れ 教員の損害負担、どう思う?)。

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