夏休み前の猛暑の中で水の事故が相次いでいる。川で遊んでいた小学生が流され、中学生が深みにはまった。川では流れに足をとられる、深みにはまる、川底の石につまずく、急な増水で流される、など澄んだ流れにも危険が潜んでいる。
苦い経験がある。プールで泳げるようになり、田舎の川で泳いでいたときだ。川中で立とうとしたら足が届かず慌てて溺れた。幸いにも釣り人が飛び込んで助けてくれた。運よく命拾いをした。
かつて先輩教師から「40センチの深さの水も横に見れば永遠の深さだ。浅いからと言って安心するな」と言われた。40センチでも立てなければ溺れる、心すべきことだ。夏休み前、子供たちに水と仲良く安全に楽しむ術(すべ)をもう一度教えておこう。
最も安全と思われているプール指導での事故が報道された。小学4年生の児童が中学校のプールでの水泳指導中に溺れて死亡した。小学校のプールがポンプの故障で使えず、1~3年生は近隣の小学校、4~6年生は中学校のプールを借りていた。中学校での指導は3回目。4年生2クラス36人の水泳指導は教頭と担任教諭2人の計3人で行っていた。
当該男児は小柄で身長130センチ。水泳は苦手なグループ20人の中でバタ足の練習をしていた。溺れた場所の水深は130センチで小学校よりも深い。教諭2人が10人ずつを監視していたが気付かず、近くにいた児童2人が気付いて引き上げた。中学校のプールに換わっての安全確認、指導体制、管理体制、安全指導、危機管理などはどうだったのかをきちんと検証してほしい。