(鉄筆)就きたい職業ランキング

(鉄筆)就きたい職業ランキング
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 化学メーカーのクラレが小学6年生を対象に毎年行っている「将来就きたい職業」のランキング結果が発表された。男子の第1位は「スポーツ選手」、女子は「漫画家・イラストレーター」で、どちらも3年連続の1位であった。問題は教員である。男子は6位、女子は3位で男女総合でも3位の大健闘である。思わず胸をなで下ろした。別の調査だったか、かつて憧れの職業上位に「ユーチューバー」が入った時は現代っ子の職業観に目を見張ったものだ。

 3年ほど前から世間では教員という職業に対しブラックのイメージが付きまとっている。その影響か教員採用試験でも低倍率が続き教員不足が深刻な状況になっている。にもかかわらず、子供たちの目には教員はいまだ憧れの存在なのだ。無論、小学6年生の彼らが今後成長し職業に対する情報を多く持つようになることで価値観も変わっていくことは当然予想される。実際、2年前に同調査で行っていた保護者対象の「わが子に就かせたい職業」では1位は「教員」ではなく「公務員」であった。

 小学生にとって教員が憧れの職業に見える理由は何なのか。それは忙しくても一生懸命自分たちのために尽くしてくれる教員が子供たちの身近に少なからず存在するからではないだろうか。もちろん全ての教員がそうであればうれしい限りだが、相変わらず教員の不祥事が発生している現状も忘れてはならない。

 「教育は人なり」。言い古された言葉だが、今回のランキング結果を見てふとお世話になった小学校時代の恩師の顔を思い浮かべた。

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