全国初となる公立高校「学びの多様化学校」を25年度に設置 福岡県

全国初となる公立高校「学びの多様化学校」を25年度に設置 福岡県
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 福岡県教育委員会はこのほど、2025年4月に全国で初となる公立高校の「学びの多様化学校」を、同県立小郡高校内に設置すると公表した。また、併せて25年度入学者選抜から、県立高校全校で不登校生徒などが志願しやすい入学者選抜も実施する。県教委の担当者は「不登校生徒の抱える悩みや課題に応じて進路を選択できるようにしていきたい」としている。

 全国で初となる公立高校の学びの多様化学校は、県立小郡高校の普通科コースとして設置される。手厚い支援があれば継続して登校できる不登校生徒が対象で、募集定員は40人。入試時期は25年1月下旬、特別学力検査(国語、数学、英語)および面接・作文を実施予定としている。

 学びの多様化学校では、始業時間を遅めに設定したり、授業時間を短縮したりするなど、不登校を経験した生徒が登校しやすい環境をつくっていく予定だ。また、少人数学級編制や専門スタッフなどを配置し、生徒一人一人に応じたきめ細やかな支援を行っていく。

 加えて、例えば各自の興味関心や得意分野を伸ばす「自己探究」や、良好な対人関係を築くための「ソーシャルスキルトレーニング」、自分の将来を考え進路実現を目指す「キャリアリサーチ」など、学校設定教科や科目の充実を目指す。

 また、同県教委は県立高校全校で25年度入学者選抜から、一般入試において調査書の「各教科の学習の記録」の中学3年時の評定を選考資料としない、不登校生徒が志願しやすい入学者選抜を実施する。対象は欠席日数が一定数を超える不登校生徒で、入試方法は学力検査(5教科)に加えて面接も実施する。

 同県教委の担当者は「不登校生徒は評定が低いからと県立高校を敬遠しがちだった。環境が変われば登校できるような生徒は、ぜひこの入学者選抜を活用してほしい」と述べ、「他にも通信制や定時制、単位制など、不登校生徒が抱える悩みや課題に応じて、進路選択できるような環境を整えていく」と強調した。

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