(鉄筆)質の高い睡眠

(鉄筆)質の高い睡眠
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 暑い日が続き、疲れがたまってくる時期である。疲労回復には十分な時間と質の高い睡眠が必要である。アメリカ大リーグ・ドジャーズの大谷翔平選手は、1日に10時間は眠るという。よいパフォーマンスのためには、これくらいの時間が必要だと語った。

 厚労省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9~12時間、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨している。子供たちは、実際にどのくらいの睡眠時間をとっているのか。東京大学と理化学研究所の調査によると、平均睡眠時間は小学6年生で7・90時間、中学3年生で7・09時間だった。

 「睡眠ガイド」には、睡眠は心身の疲労を回復する機能とともに、成長や記憶(学習)の定着・強化など環境への適応能力を向上させる機能を備えているため、睡眠の悪化は成長や適応能力の向上をも損ないかねないとされている。登校時や学校で日光を浴びること、朝食を取らない生活は睡眠・覚醒リズムを後退させること、1日当たり60分以上体を動かし、スクリーンタイムは2時間以下にすること、デジタル機器は寝室には持ち込まないことを推奨している。

 ある小学校で子供が睡眠を十分にとれるようにするため、全校で休み時間の外遊びを積極的に行った。その結果、低学年は取り組みの前に比べて睡眠時間が長くなったが、高学年は変化がなかったという。子供への聞き取りから、その原因として塾や習い事が上がってきた。

 睡眠の重要性を家庭へ周知し、家庭の意識を変える取り組みを考えていくことが求められる。

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