(一財)教育調査研究所はこのほど、「『学校の魅力』の発信と『魅力ある学校』の創造」をテーマとした研究紀要を発行した。この中で、「今後、教職をより魅力的なものにするために求めることは何か」を小中学校の校長(195人)、教員(503人)にアンケート調査をしている。
校長は、小中学校ともに、「教員数の増員」62.9%、「賃金(管理職手当を含む)の増額」(45.9%)、「業務量の削減」(37.1%)を求めている。教員は、小学校は「業務量の削減」(49.2%)、「教員数の増員」(48.8%)、「賃金の増額」(36.0%)、中学校は「教員数の増員」(55.0%)、「業務量の軽減」(43.0%)、「賃金の増額」(33.0%)であり、小中とも「賃金の増額」以上に「業務量の削減」「教員数の増員」を求めている。
中学校では、指導の中核を担う教職経験10~30年の教員の27・6%が「生徒とのコミュニケーションの時間の確保」を挙げているのが注目される。魅力ある学校づくりをする際の阻害要因として、校長も教員も業務量の多さ、教員数の不足のほか、時間の不足、子供の指導や保護者の対応の難しさ、マスコミなどのマイナス報道などを指摘している。
回答した多くの校長や教員が求めているのは、本来の業務である「授業の充実」であり、「授業の準備の時間」「子供たちとのコミュニケーションの時間」の確保などであることが分かった。
このほか、児童生徒、保護者、地域の関係者らのアンケート結果、学校関係者の実践事例、学識経験者からのエールなども掲載されており、教育改革を探る上での参考になった。