(鉄筆)教育界の女性進出

(鉄筆)教育界の女性進出
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 日本労働組合総連合会(連合)会長、日本航空社長、検事総長――、共通事項は何か。答えはトップに初めて女性が選ばれたこと。検事総長の畝本直美氏は「男性でも女性でも、期待される役割は同じだ」「国民の信頼に支えられていることを心に刻み、公正誠実であることを大切にしたい」と語る。

 女性の進出が着実に進んでいるように見えるが、実態はどうか。スイスの民間研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」が6月に発表した男女平等度を巡る2024年度版ランキングで、日本は118位であった。前年の125位よりは上がった。女性閣僚増が評価されたようだが先進国の中では最下位だ。

 教育界はどうか。文科省の調査によれば、女性管理職(校長、副校長および教頭)の割合は、23年4月1日現在、23.7%(校長20.7%、副校長および教頭26.3%)で、過去最高と報告されている。校長、副校長・教頭の割合ともに、第5次男女共同参画基本計画(21~25年度)における数値目標を達成している。

 校種別に管理職全体に占める女性の割合をみると、小学校は29.5%だが、中学校は15.4%、高校・中等教育学校は13.3%と低い。女性教諭が多いことを考えると、考えると遅れていると言わざるをえまい。

 企業の世界では、社員や管理職に女性を増やすとともに女性役員を増やすことが企業価値を高めることが実証されている。公立の小・中学校の校長会はどうだろうか。役員には女性が参画しているようだが、会長に女性が就くのはいまだない。教育界こそ先端に立つべきだろう。

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