自らの手で未来を切り拓く生徒の育成~3つの姿を育む授業づくりを通して~ 安城市立安城西中学校

自らの手で未来を切り拓く生徒の育成~3つの姿を育む授業づくりを通して~ 安城市立安城西中学校
西中マルシェで安城市をPRする生徒(千葉県浦安市での実践)
【協賛企画】
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本校研究について

 2023・24年度安城市教育委員会の研究委嘱を受け、研究主題を「自らの手で未来を切り拓く生徒の育成~3つの姿を育む授業づくりを通して~」を目指し研究を進めている。個人追究や関わり合いを通して、生徒の「学びに向かって動き出す姿」「考えを深める姿」「学びを行動に移そうとする姿」という3つの姿を育む授業づくりに取り組んでいる。先を見通すことが難しい世の中であっても、思いや願いを持ち、主体的に問題を解決し、未来を切り拓く力を育てたいと願っている。

学びの土台づくり「伝えタイム」

 伝えタイムは、生徒が自分の意見を持ちやすい身近な内容をテーマに挙げ、自分の考えを伝え合うものである。生徒同士が各教科でより深い学びに向かうためには、関わり合うことが大切である。自分の意見を周りに伝えることに自信をつけ、意見を言うことや聞いてもらったり、新たな考えに触れることの喜びや、楽しさを実感したりしてほしいと願い、伝えタイムに取り組んでいる。

考えを深めるための「核心に迫る関わり合い」の実践

 3年理科「仕事とエネルギー」の授業の終末では、生徒たちは何をどのように学んだのかを振り返った。その振り返りを共有し、学んだことを生活の中に生かしていこうと考えたり、自己の成長を実感したりするために「核心に迫る関わり合い」の場を設定した。生徒は、生活の中にも、エネルギーが関わっていることに気付いた。自転車通学をしている生徒は、「仕事の原理を考えて、向かい風と追い風の時で自転車の変速機をうまく使い分けて、楽に登下校したい」と振り返り、学びを生活につなげる姿を見せた。

学びを行動に生かす場「西中マルシェ」の実践

 生徒が自分の思いを持ち、主体的に行動できるようになってほしいと考え、3年総合的な学習の時間において、「西中地域応援課が贈るGIFT」と題した単元を構想した。「安城市を盛り上げるためにはどうしたらいいか」という学年共通の課題として、地域企業などの協力を募り、マルシェの開催を目指し、学習活動を進めた。  

 生徒が見通しを持って活動できるようロードマップを作成し、乗り越えるべき課題や準備を可視化した。これらを小グループで分担し、技術・家庭科や美術科での学習を生かし、商品の陳列棚や宣伝用のぼり旗をつくるなどした。当日は、生徒は教師を頼ることなく準備し、販売活動を行い、振り返りには、「いろいろな教科で学んだことを生かして、自分たちだけでマルシェの成功に向けて活動できた」と学びを行動に生かす姿が見られた。

本校が目指す授業づくり

 今、生徒たちに求められている学力は、教科・領域にとどまることなく、身の回りの事象から問題を見いだし、課題を設定し解決していく中で、最もふさわしい考えを導き出すことができる力である。これからも研究を継続し、学んだことを今後の学習に生かしたり、生活や社会に広げたりと生徒が自ら動き出そうとする姿を引き出せるよう授業づくりに努めていきたい。

 (文責・原田正樹校長、執筆者・藤田隆司教務主任)

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