天高く馬肥ゆる秋、実りの秋へ――。先生方は子供の学びの深まりに向けて大きく飛躍すべく張り切っていよう。夏の研修の成果を発揮する時だ。「主体的・対話的で深い学びの実現」も一層の深化が期待される。
学習指導要領総則には授業改善の配慮事項として「学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を、計画的に取り入れるように工夫すること」が示されている。当たり前のことではないかと思い、教務・主幹クラス15人に聞いてみた。
「学習の見通し」はやっているが、「振り返り」はおろそかになっているという回答が目立った。「一生懸命授業をやっていると時間がきて簡単にまとめて終わり」が多いという。授業研究では振り返りを重視することが多くなった。子供が自分たちで学習を進めているようだが、意欲がいまひとつで学びが深まらない。
出発点に戻り「学習の見通し」を子供が主体的に立てているかという視点で指導案や授業を見直してみた。指導案には学習活動が子供主体で進むように書かれている。実際の授業では教師が前に出て導いて見通しを立てさせている。自分たちで見通しを立てていない。これでは学習活動も振り返りも自分事にならない。「学習の見通し」はやってきたと答えていたが、見通しが立つよう教師が主導したのであって、子供が自ら立てたのではなかった。
見通しと振り返りは一体であり、出発点の「学習の見通し」が主体的に行えるように改善すべきだろう。指導案の学習の見通しの表現、教師の関わり方から見直してみよう。