新政権が発足しすぐさま解散総選挙。各党は国民第一、国民に寄り添って、国民生活を守る、などと声を大きくしている。新首相は所信表明演説で「人づくりこそ国づくり」と語った。「守る」を強調していたが、教育における子供たちの問題を分かっているのか、知っているのか。
何よりも教育における格差拡大の問題。出身家庭の社会経済的背景により学力や学歴に差が生じ、職業達成を左右する状況にある。生まれた環境・保護者の生活状況により、自然体験や社会体験、スポーツ活動などの体験格差が生じ、体験の乏しい子供が置きざりにされるなどの体験格差。小学校低学年の生活科は体験学習が中心だが、子供の入学前の体験の差が目立っており、どう体験学習を充実するか教師を悩ませている。
子供の貧困問題。多少は是正されているが、現在も7人に1人が貧困問題を抱えている。貧困状態にある子供は、低学力、低学歴、心身の不健康になりやすく、自己肯定感や意欲、希望を持ちにくい傾向にある。学校では居心地が悪く、のけ者にされていると感じやすく、いじめを受けやすい。
政府は教育機会確保法やこども基本法などの施行をはじめとする対応を行っているが、単に教育だけの問題ではない、国の政治・経済に係る根幹の問題である。その認識が政治家や政党にあるのだろうか。
教育は「国家百年の計」などとのんきなことを言っている状況ではない。少子化の進行を含めて待ったなし。どんなビジョンがあるのか選挙を通してしっかりと確かめる必要がある。