(鉄筆)リーダーとボス

(鉄筆)リーダーとボス
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 ある県の知事について内部告発文書が出され、この件に関わり議会が知事の不信任決議案を提出、全会一致で可決された。県政に関わる問題、特に知事による職員へのパワハラや、贈答品を知事が受領していた疑いなどを告発されたことが発端であった。知事が告発者を特定し処分したことが公益通報者保護法に反するのでは、という指摘が複数の有識者から寄せられている。

 9月12日の全国紙に霊長類学者の山極壽一氏が、ゴリラとニホンザルを例に、リーダーとボスとの違いを論じた文章を寄せていた。リーダーとボスには明確な違いがあるという。ボスは自分の力を誇示して競合者を屈服させる。ニホンザルはメスが群れを離れず、外からオスたちがやってきて力を競いボスが他を制するため、優劣の違いがよく分かるように態度に表す。

 ゴリラはメスが育った群れを離れて繁殖するので、オスはメスに認められなければ群れをつくれない。力だけでは群れを率いることができず、子供が悲鳴を上げたら間髪を入れずに飛んでいったり、メス同士のいさかいを仲裁したり、外敵には身をていして立ち向かったりする。

 目を学校に転じてみると、やはり校長はボスではなくリーダーでなければならない。教職員は子供や保護者、地域の人々から信頼されなければならない。そのためには学校経営のビジョンを教職員や保護者・地域住民、そして子供たちにも理解を深めてもらう必要がある。

 今年度も半年が経過した。この時期に学校経営や校長としての在り方について振り返ることが大切だ。

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