(鉄筆)教え子との再会

(鉄筆)教え子との再会
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 数十年ぶりに教え子2人と再会した。T君は2校目の小学校で1・2年生を担任した。同窓会に先生が来る、と聞いて来てくれた。現在、大学の史料編纂所で専門の仕事をしている。歴史へのきっかけは、担当していた歴史クラブで地域の遺跡や史跡調べに興味を持ったことから。

 彼が高校3年生の時、知人であった歴史教師の担任から「大学の歴史科に推薦で入れたい。小学校のときから歴史に関心を持ち学ぶ意欲があったことを推薦状に書いてほしい」と依頼されたので、喜んで応じた。大学でしっかりと学び古文書の研究者になった。

 O君は新採の小学校で3年間担任した初めての卒業生。突然電話があり、会いたいと言ってきた。当人の結婚式以来35年ぶり。会社勤めに一区切りついたので、これまでのご無沙汰のおわびとクラス会をやりたいという。当時の学校生活のアルバムと学級通信を持参したので話が弾んだ。

 会社勤めの大変さを学校・教員と比較しながら話してくれた。「よく学びよく遊べ」などいろいろ話したことを覚えていて、会社でも若手に話したという。当時は「自分の頭で考え行動する子を育てる」をモットーにしていたが、自分の思いや考えを押し付けていた。それでも何かを覚えていてくれたようだ。

 「教え子」は辞書では「教師から見て自分が教えた人」とある。「教えから学びへ」の転換が言われる今日、「教え子」という言葉はこれからも通用するのか。「教え子」から「学び子」に代わるのだろうか。いずれにしても何を教えるかが肝心なのではないか。

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