【補正予算案】教育課題特化の生成AI活用 文科省が実証研究事業

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 政府は11月29日、臨時閣議を開き、今年度の補正予算案を閣議決定した。文部科学省ではGIGAスクール構想で導入された1人1台端末の更新費用の上乗せや学校の通信ネットワーク環境の改善、学校施設の災害復旧、整備などで9067億円を計上した。補正予算案では新たに、教育分野の課題に特化した生成AIの実証研究事業を盛り込んだ。

今年度補正予算案の主な教育関連内容

 GIGAスクール構想に関連したものでは、端末をより高頻度に活用していくことを想定し、今年4月に文科省が設定した「当面の推奨帯域」を満たすため、学校の通信ネットワークのアセスメントや、それに基づく環境改善の初期費用を支援するなどの「GIGAスクール構想支援体制整備事業」に60億円を計上。1校当たり340万円を上限に、国が3分の1を補助する。

 さらに、都道府県に設置した基金によって更新されることになっている1人1台端末について、来年度に更新を計画している自治体が想定よりも多かったことから、その分の234億円を追加した。

 学びでのICT利活用を進め、児童生徒の情報活用能力を育成することを目的とした「リーディングDXスクール事業」も継続。3年目として2億円を充てた。

 新規事業として、教育課題の解決に向けた教育分野特化の生成AIの実証研究事業に3億8000万円を計上。例えば、外国にルーツのある児童生徒・保護者への多言語対応や個別最適な学びの提供など、特定の教育課題に対し、どのような生成AIの活用可能性があるかを探る。

 また、生成AIの校務利用をより実用的なものとしていくため、セキュリティーや個人情報が保護された安全な環境下で、年間を通じて生成AIを校務で活用していく実証研究事業に2億1000万円を投じ、繁忙期の利用も促進するなどして、教員の働き方改革につなげる。

 学校施設などの整備などに2883億円、能登半島地震や豪雨による被害を受けた学校施設・設備の災害復旧に337億円を積んだ。被災地の児童生徒の学びの継続や早期の学校再開に向けて、被災地に別の自治体から迅速に教員を派遣できるようにする「被災地学び支援派遣等枠組み(D-EST)」の構築には5000万円を計上。自治体の学校支援チーム設置を促す。

 この他、不登校・いじめ対策などの推進に4億円、オンラインコンテンツの開発支援など、教員研修の高度化・研修環境整備に2億円、部活動の地域移行に29億円、全国学力・学習状況調査のCBT化の対応に10億円などを盛り込んだ。

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