今年も早いもので、カレンダーも残り1枚となった。今、受験を控えた子どもたちは勉強で頭がいっぱいだろう。受験とは関係のない年齢の子どもたちは、早くも心がクリスマスや正月へ飛んでいるのではないか。学校は4月から1年が始まるので、学校の正月は4月ということになる。これから来年度に向けての計画の立案や準備が進められる。
今年度の全国学力・学習状況調査の学校質問紙に「児童生徒の姿や地域の現状等に関する調査や各種データなどに基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立していますか」という設問があった。小中ともに実に9割を超える学校が肯定的な回答をしていた。
来年度は、現行の学習指導要領に基づく教育課程が始まって小学校は6年目、中学校は5年目に当たる。この原稿を執筆している段階では、文科大臣から中教審に次期学習指導要領に関わる諮問はされていないが、学校の関心はすでにそこに向かっている。
諮問が出ると一気にそれに飛びつき、キーワードを取り入れた校内研究のテーマが出てくる。それを否定するつもりはない。次のステージに向けて準備をすることは大切だが、果たして現行の学習指導要領に示されている内容は十分に達成できているのだろうか。
大半の学校では教育課程の編成、実施、評価、改善のサイクルが確立されているのを最大限に生かし、現行の学習指導要領に基づく教育課程を充実させ、その上で新しい学習指導要領についても研究を進めていくことが必要である。