北九州市の中3殺傷事件 逮捕後も心のケアの支援を継続

北九州市の中3殺傷事件 逮捕後も心のケアの支援を継続
iStock.com/SDI Productions
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 北九州市小倉南区のファストフード店で中学3年生の女子生徒と男子生徒が突然刺され、女子生徒が死亡、男子生徒が重傷を負った事件で、福岡県警は12月19日、近くに住む40代無職の男性を男子生徒への殺人未遂容疑で逮捕した。事件が起きてから北九州市内では不安が広がっており、登校を控える子どもも多くいた。逮捕の報道があった直後に開かれた記者会見で、武内和久市長は「あれだけ大きな事件で衝撃を受けている。子どもがそれを感じているのは事実。どういう状況の変化があったとしても、一朝一夕に癒えるものではない」と述べ、子どもの心のケアに引き続き取り組んでいく考えを示した。

 事件は12月14日夜、学習塾から帰宅する途中にファストフード店に立ち寄り、注文のレジに並んでいた中学3年生の男子生徒と女子生徒が、店内に入ってきた犯人に相次いで刺され、女子生徒が死亡、男子生徒も重傷を負った。犯人はすぐに逃走し、同19日になるまで逮捕されなかったことから、市内では不安が広がっていた。

 市教委によると、同18日時点で市立幼、小、中、高校、特別支援学校に通っていて、登校を控えた園児、児童生徒は2103人に上った。

 児童生徒の登下校時の安全対策では、地域やPTAによる見守り、保護者による送り迎えなどが行われ、19日朝からは登下校の時間帯に合わせて市役所職員によるパトロールも始まっていた。

 被害に遭った生徒が通っていた中学校は同16日を臨時休校とし、スクールカウンセラー(SC)を増員して生徒にアンケートを実施。支援が特に必要とされた生徒への個人面談などを行い、当面の間、SCの配置を手厚くしていく方針だ。

 他の学校でも不安に感じる子どもや保護者が多くいることから、19日には保護者や教員が子どもの心身のサインに気付けるようにするリストを配布し、冬休みの間も相談できる窓口の周知を行った。

 同19日午前に記者会見を行った武内市長は「やはりあれだけ大きな事件が起きて、衝撃を皆さん受けている。子どもたちがそれを感じているのは事実だ。(犯人の逮捕といった)どういう状況の変化があったにせよ、一朝一夕に癒えるものではない。そこは丁寧に状況を見ながら、どういった心のケアが今後も引き続き必要となるのか、状況を把握した上で対処していくことが必要だと思う」と、子どもの心のケアを継続して取り組んでいく考えを表明した。

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