(鉄筆)子どもたちの未来

(鉄筆)子どもたちの未来
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 24年は元日に能登半島地震が起き、多くの方が亡くなったり、被害に遭ったりした。9月には豪雨によって甚大な被害を受けた。学校にも大きな影響を与えた。改めて亡くなられた方へ哀悼の意を表するとともに、被害を受けた方にお見舞いを申し上げたい。

 輪島市にある白米千枚田は1004枚の棚田からなる美しい景観の世界農業遺産「能登の里山里海」の一部である。この棚田の多くにひびが入っている映像を見た時に、現上皇陛下が天皇在位の時におっしゃった「わが国の美しくも厳しい自然」というお言葉を思い出した。東日本大震災後のお言葉だが、日本は常に自然の脅威と隣り合わせで生活していることを痛感した。

 6月から8月は過去最も暑い夏となり、11月でも夏日があるなど暑い日が多かった。気象庁によると世界の10月平均気温は上昇しており、長期的には100年あたり0.72度の割合で上昇している。

 ユニセフの「世界子供白書2024」では、50年までに子どもたちの生活に大きな影響を与えるトレンドについて考察。「気候と環境の危機」では、50年には世界の気温が1.5度から2度上昇する可能性があり、今世紀初頭の8倍の子どもが熱波にさらされ、慢性呼吸器疾患や心血管疾患のリスクが生じると予想。また、日常的な水と食糧の不足が常態化するという。

 地震が起こらないようにすることは難しいが、温暖化はできることがある。世界中の大人が自国の利益だけでなく、子どもたちの未来を考えて行動することが求められている、とこの年の瀬に考えた。

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