(鉄筆)男女の平均得点

(鉄筆)男女の平均得点
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 今年の干支は「乙巳(きのとみ)」である。「乙」はしなやかに伸びる草木を表しており、困難があっても紆余(うよ)曲折しながらも進むことを意味すると言われる。「巳」は蛇を表し、脱皮して成長する様子から、生命力豊かな不老長寿を象徴すると言われている。今年こそ、全ての子どもが、その持てる力を十分に発揮し、幸せになることを祈りたい。

 昨年12月に「TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)2023」の結果が公表された。日本の算数・数学、理科の平均得点は引き続き世界のトップクラスであった。しかし、平均得点はどの教科も男子の方が女子より高くなっている。これまでも実質的な差はなかったものの男子の方が高い傾向にあったが今回、統計的に意味のある差となって現れた。教科に対する興味・関心も男子の方が高い。

 学校、社会や家庭のどこかに、無意識のうちに理系は男子という考えがあり、それが影響しているのではないか。あるいは理系を指導する教師に女子がロールモデルとする教師が少ないのではないか、などさまざまな要因が考えられる。

 今回のTIMSSの結果では、SES(社会経済的背景)の水準が高いほど到達度レベルが高くなることが、日本だけでなく国際平均にも見られている。全国学力・学習状況調査の結果からは、SESが低くても「主体的・対話的で深い学び」に取り組んだ子どもは、各教科の正答率が高いことが分かっている。

 全ての子どもが夢を持てるようにすること、夢を実現できるように支援していくことが学校に求められている。

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