“教育界のノーベル賞”トップ50に三仙教諭 英語討論で革新的指導

“教育界のノーベル賞”トップ50に三仙教諭 英語討論で革新的指導
グローバル・ティーチャー賞のトップ50に選出された三仙教諭(提供:三仙教諭)
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 “教育界のノーベル賞”といわれ、世界各国の活躍する教員を表彰する「グローバル・ティーチャー賞2025」のトップ50に、日本から唯一、福井県立藤島高校で英語を教える三仙(さんぜん)真也教諭が選ばれた。社会課題などをテーマにした英語ディベートを積極的に取り入れて、英語教育の質を高めた点などが評価された。三仙教諭は1月17日、教育新聞の取材に「生徒の思考力や表現力を深められるメソッドが評価されたことは、うれしい」などと語った。

 「グローバル・ティーチャー賞」は、革新的な指導方法を取り入れるなどして、世界各地で教育の質の向上に貢献する優れた教師を表彰するもので、英国の財団が毎年選出している。今年トップ50に選出された日本人は三仙教諭のみで、日本人としては8人目となる。

 三仙教諭は17年間にわたって高校の英語教諭を務め、英語ディベート大会の企画運営に携わったことをきっかけに、英語ディベートによる指導に積極的に取り組んできた。生徒に論理的思考とコミュニケーションスキルを身に付けさせようと、英語ディベートをカリキュラムの基礎として導入、気候変動など社会課題もテーマに取り入れた。

 同賞のウェブサイトでは、「都市部の学校とのオンライン討論や、オンラインによる国際交流などにも取り組み、生徒に多様な視点を体験させてグローバルな考え方を育んだ」とされている。

 また、文部科学省と連携して英語ディベートを教える動画を制作するなど、日本の英語ディベートの人気を大幅に高めたことも評価され、「日本の英語教育のリーダーの一人としての地位を確立した」と評された。

 今回の受賞について三仙教諭は教育新聞の取材に対し、「これまで指導した生徒の活躍や、福井県の英語教育への取り組みが評価されたと受け止めている。生徒の思考力や表現力を深めていけるメソッドが評価されたことは、うれしい。地方と都市の教育格差など、いろいろな問題の解決への期待も込めて賞をいただいたと思うので、今後もさらに励んでいきたい」と話した。

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