(鉄筆)次期学習指導要領

(鉄筆)次期学習指導要領
【協賛企画】
広 告

 2025年を迎えた。年末に中教審に対し文科相から現行指導要領の改訂に向けての諮問がなされ、今年は新しい時代の教育の在り方が語られる。

 次期学習指導要領は現行の理念を継承すると聞く。ならば諮問文で指摘されている現行の学習指導要領の実施上の課題をさまざまなデータを提示しながら分析していくことが必要である。

 まずは「柔軟な教育課程」。東京・目黒区で行われた授業時間の単位時間の縮減は、教員の働き方改革に関係する重要なポイントだ。ただ、単位時間の弾力化により生み出された余剰時間を学習時間だけでなく教員の研修時間にも充てられるようになることで財務省からは教員の増員は必要なしとの声も上がる可能性がある。シンガポールの教育理念である「教えを少なく学びを多く」を参考にするなど学習内容の精選化を図りながら学習方法の拡充で「学びの質」向上とそれに伴う教員の負担の軽減、具体的には教員の持ち時数の削減を推進すべきだ。

 諮問文では中学校の部活動問題を取り上げていないが、次期学習指導要領の告示までに地域移行が完全に終了するとは思えない。依然として部活動は学校に存在すると言えよう。先日のスポーツ庁主催の部活動改革実行会議での議論を見ても部活動問題はますます混迷の度合いを深めている。活動場所を学校とする前提で恒常的な人材確保の戦略を立てない限りこの問題は解決しない。

 これからの時代を生きる子供たちに必要な資質・能力を学校・家庭・社会が連携し育てることを主題に真剣な議論を期待したい。

広 告
広 告