(鉄筆)50代教員による体罰

(鉄筆)50代教員による体罰
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 昨年の「新語・流行語大賞」に「ふてほど」が選ばれた。「ふてほど」とはテレビの連続ドラマ「不適切にもほどがある!」を略したもの。ドラマでは主人公が1986年から2024年にタイムスリップし、昭和の時代に許容されていた言動が現在では不適切である、昭和と令和のギャップを風刺した内容だった。

 昨年末に文部科学省から「令和5年度・公立学校教職員の人事行政状況調査」の結果が公表された。一般紙では、教員の精神疾患の休職者が過去最多になったことを中心に報じられていた。学校における働き方改革の加速化、教師の処遇改善が一層求められる結果となっている。

 さらに調査では、体罰により訓告等を含めた懲戒処分等を受けた教員は343人だったことが分かる。前年度より54人減少したものの、全教員に対する割合に変化はなかった。体罰が行われた場面は授業中が最も多く、体罰を行ったのは他の年代が100人以下なのに、50代の教員は221人で圧倒的に多い。50代といえばベテランである。おそらく経験に基づいた指導がうまくいかなくなっている状況が背景にあるのではないか。

 以前に比べて児童生徒の多様性が顕在化してきている。一人一人の児童生徒の個性や特性に応じた指導が求められている。体罰防止研修も大切だが、それだけでなく各学校において授業の在り方を見直し、児童生徒の実態に合った指導の仕方を研究することも体罰を防止するためには必要なことだ。

 教員は常にアップデートすることが求められていることを強く認識しなければならない。

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