選挙におけるSNSの影響についての報道が最近多くなり正しい情報の見極めを重視する声が強くなっている気がする。
中学生のSNS利用率が2023年では96%となり前年を大きく上回ったとモバイル社会研究所の調査結果で明らかになった(「モバイル社会白書2024年版」)。使用サービスでは小中学生とも第1位は「LINE」で、第2位の「TikTok」を抑えた。利用時間は中学生の1日の平均時間が85分で特に女子が多く利用している。別の機関での調査では「YouTube」が「LINE」を上回っていた。
子供たちにとってSNSは生活の一部になっているといってもよい。問題は、従来のテレビとは違いSNSは双方向型のメディアツールであるという点だ。親の知らないうちに子供は違う世界の人間になっているということである。犯罪に巻き込まれる確率が昔に比べると格段に高くなると言えよう。
SNSの世界に飲み込まれない手だても大切だが、子供の情報判断能力の育成も併せて行うべきであろう。東京都教委ではLINEみらい財団と連携して「SNS東京ノート」を配信しているが、こうした教材を使っての学校や家庭での指導は情報社会に強い人材を育てる上で大切であろう。
SNS利用での好影響について国立青少年教育振興機構の調査では社会への関心が高くなったほか、勉強や生活の情報を収集することで学習意欲が向上したとの報告もある。これからの時代は情報をどう分析し管理するかといった能力の有無が人生の明暗を分ける指標になりそうだ。