総合的な学習の学びをポートフォリオにする際、紙でやるかタブレットでやるか、どちらがいいか。ポートフォリオの意義・意味、それを紙、タブレットでやる意味・狙い、それぞれのメリット・デメリットを出し合って比較することが専門職としての出発点。難しいのはタブレットでの学びの成果や課題がまだよく分からないことだ。
中教審への諮問では「デジタルかリアルか」「デジタルか紙か」といった二項対立に陥らず、「デジタルの力でリアルな学びを支える」との基本的な考えに立ち、バランス感覚を持って積極的に取り組む必要があります」としている。この基本を大切にしたい。
とかくデジタルに走りがちだがリアルな学びの価値を再確認した例がある。東京都江東区立臨海小学校4年生は昨年12月の学習発表会で「和っしょい!~門仲もっとよくし隊~」と題し、町に出て学んだ町のよさやもっとよくなってほしいことを発表した。終わりは地域の人々も交えて深川音頭での盆踊りで盛り上がった。
すると「サプライズがあります」の子供の声。「地域の方々が 『木遣り』を歌ってくれます」という。3人のご年配の方が朗々と木遣りを歌われた。終わると会場から大喝采。涙を流す人もいた。子供の学びの姿に感動した町の人のプレゼントだった。
こんなリアルな出会いができるのも総合だ。リアルな学びは、実生活・実社会の中から課題を見いだし体験的な学習、協働的な学習を通して探究する生活科や総合の特色でもある。これをタブレットがどう支えるかさらに探究してほしい。