(鉄筆)学校の在り方を探る

(鉄筆)学校の在り方を探る
【協賛企画】
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 『小学校~それは小さな社会~』というドキュメンタリー映画を見た。コロナ禍の2021年の東京の小学校が舞台。1年生と6年生に焦点を当て、1年間、子どもと教師を追い掛けている。

 チラシに「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本の子どもは“日本人”になっている」とある。1年生が手の挙げ方や廊下の歩き方、ほうきの掃き方、給食当番の仕方などを教えられる場面が出てくる。学校という集団で生活するために必要な規律と秩序、協力、責任などを学んでいく。

 運動発表会で縄跳びの演技を発表することになった6年生。なかなかうまく跳べず、家に帰ってもひたすら練習し続ける。本番ではしっかりと演技できた、その子の満足した表情が映る。

 新1年生を迎える楽器演奏を1年生が行うための楽器のオーディションに受かり、体中で喜びを表す子ども。しかし、練習不足で音楽を担当する教師から厳しい指導を受けて涙を流す。全体練習にも加われずに遠くから練習を見ている。担任が「できるところまでやってごらん」「先生も一緒に叱られるから」と声を掛け、練習に参加できる。緊張しながらも立派に演奏ができた。

 やり遂げることの大切さを学び、達成感を感じて子どもたちは成長する。その陰で教師がその成長を支えている。日本の多くの小学校で見られる光景だ。しかし、このような集団生活に息苦しさを感じる子どももいる。日本の学校のよさを生かしつつ、どの子も楽しく生活し学習できる学校の在り方を探るときに来ている。

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