こどもまんなか実行計画、6月改定に向け審議、こども家庭審部会

こどもまんなか実行計画、6月改定に向け審議、こども家庭審部会
「こどもまんなか実行計画2025」などについて討議した「幼児期までのこどもの育ち部会」=撮影:水野拓昌
【協賛企画】
広 告

 政府が6月ごろの策定を目指す「こどもまんなか実行計画2025」について、こども家庭審議会の「幼児期までのこどもの育ち部会」第12回会合が2月18日、こども家庭庁で開かれ、議論された。この日の部会の審議を踏まえて、こども家庭審議会は今春、政府に意見を提出。6月ごろ、こども政策推進会議で同実行計画が改定される見通し。

 「こどもまんなか実行計画」は、2023年末に閣議決定された「こども大綱」に基づいて24年、具体的な政策集として取りまとめられた。実施状況の評価、検証を踏まえたPDCAサイクルで毎年改定することになっている。

 この日の部会はオンライン参加も交えて開催。こども家庭庁から、妊娠期から子どもが小学校に入学するまでの100カ月前後を切れ目なく支援していくことを目的に策定された「はじめの100か月の育ちビジョン」関連施策の進捗(しんちょく)状況などが報告された。

 同ビジョンには、学校と地域の幼児教育機関が連携して取り組む「幼保小の架け橋プログラム」や放課後児童対策の推進が含まれている。22~24年度に幼保小の関係者が協働して架け橋期のカリキュラム開発、実施に取り組む同プログラム事業が実施されたことや、今月開催される「全国こどもの健全育成リーダー養成セミナー」で全国の児童館、学童保育関係者にビジョン概要を周知するといった取り組み事例が紹介された。また、障害児支援体制の強化、インクルージョンの推進を進めていることも報告された。

 同ビジョンに関連して、保育政策の新たな方向性として、①地域ニーズに対応した質の高い保育の確保・充実②全てのこどもの育ちと子育て家庭を支援する取り組みの推進③保育人材の確保・テクノロジー活用などによる業務改善――といった3つの柱を25~28年度に進めていくことも示された。待機児童対策を中心とした「量の拡大」から転換し、人口減少地域での持続可能な保育体制の維持などの課題を踏まえた内容だ。

 委員からは多岐にわたる提案や要望、意見が出された。高祖常子委員(認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事)は、子どもの権利条約などについて「全ての子どもたちが子どもの権利について学ぶ機会を組み込んでいただきたい」と求め、また、児童館での遊びのプログラムについては「児童館職員の高齢化などの問題もある。人材確保、増員、配置の施策も必要」と強調した。

 古賀松香委員(京都教育大学教授)は「医療的ケア児支援や幼保小連携など、それぞれの専門性を交じり合わせながら、どう生かしていくかが課題。先進事例を紹介してことや境界領域での研修などが必要」との見解を示した。柿沼平太郎委員(柿沼学園理事長)は「問題行動の低年齢化は幼稚園、保育所からつながっている課題で、学校だけで完結しない。縦の連携、地域の横の連携で子どもを中心につながっていけるようになれば」と指摘した。

広 告
広 告