2025年度教育課程届け出の時期。24年度の学校評価の結果から改善点を見いだし、リニューアルした教育課程が教委に届け出されただろうか。
現行学習指導要領に基づく教育課程は小学校で全面実施になって早6年。成果や課題は子供の学びの姿となって表出している。そこから学校、教師は何を得て、25年度の教育課程にどう反映したか。過程や結果について保護者や地域の人々と共有することができたか。
中教審の諮問では、3つの課題を示している。1つ目は「学ぶ意義を十分に見いだせず、主体的に学びに向かうことができていない子供が多くなっている」。学ぶ意義の実感や主体的な学びの実態を把握したか。対応は適切で成果を上げたか。
2つ目は「現行学習指導要領の理念や趣旨の浸透は道半ば」。資質・能力の育成、カリキュラム・マネジメント、主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善などが教育目標の実現につながったか。教師の指導力・学校の教育力は向上したか。3つ目は「デジタル学習基盤の効果的な活用」。「デジタルか、紙か」といった2項対立から抜け出し「デジタルの力でリアルな学びを支える」指導が実現できたか。
諮問では課題に取り組む上で教師の努力と熱意に過度な依存を避けることを求めている。課題解決と教師への負担解消の調節は難しい。次年度の教育課程の重点や方針、学校運営の方針などが、3つの課題への対応を明示しているかを確認しよう。課題をどう解決していけばよいかを実践から見いだし、学校現場から発信していく時である。