先月、いくつかの小学校で授業を参観した。いずれも今年度の校内研究の成果が発揮された、すばらしい授業だった。
ある授業では、担任が持ち上がりであることから前の学年に学習した時の成果物を使い、子どもの気付きをもとに学習を展開していた。別の小学校の授業では、他の教科での学習を生かし、学びを深めることに結び付けていた。それらの学校では研究授業の前に他の学級で何回も事前授業を行い、指導案を改善してきたという。
授業後の協議会を充実させるための工夫をしている学校もあった。研究授業の終了後、協議会を始めるまでの間に参観した教員らが授業を受けた子どもたちにインタビューを行っていた。「一人で考える時に悩んでいたら、先生がヒントをくれたので解決できた」「先生の説明はよく分からなかった」など子どもたちの本音を生かして協議会を充実することができていた。
さて教員には異動がある。前年度の研究の内容を知らない教員がメンバーと加わってくる。ゼロから授業研究を始めるのではなく、今年度の成果の上に校内研究を積み上げていくことが望まれる。そのためには、実践し研究協議会で協議・検討した授業の指導案や指導計画をそのままではなく改善したものに修正しての保存が必要である。
学習指導要領にもカリキュラム・マネジメントの要素の一つとしてPDCAサイクルが示されている。一般的にPDCAの中でPとDはよく行われているが、CからAの部分が脆弱(ぜいじゃく)だと言われている。各学校での取り組みに期待したい。