今年度も、数校の小中学校の研究発表会に出席した。
午後、研究テーマに基づいた授業を全クラスで公開する。参観者は授業を見て回るが大勢になると教室に入り切れず、廊下で雑談している者もいる。授業が終わると体育館などに集まり、研究主任らが中心になって研究成果を発表する。その後、指導講評があり、最後に記念講演が行われる。熱心にメモを取っている者がいる一方で、居眠りをしている者もいる。出席した研究発表会は、全てがこのような感じであった。
学校の研究の目的は、校長の指導のもとテーマを設定し、一人一人の教職員が研究を通して授業力を身に付け、さまざまな資質や能力を高めることである。研究発表会はその成果を広く公表するものだが、そこに参観者の視点を加える必要があるのではないか。
以前に出席した研究発表会では、参観者は受付で事前に割り振られたテーマ別に授業を参観し、授業終了後は発表校の教師が司会を務める各テーマの分科会で協議に参加、続く全体会では参観者の代表が分科会での協議の内容を発表し、さらに全体の場で協議を進めながら、研究発表が行われていた。
現在、研究発表会の形式も工夫されてきている。発表校が研究成果や課題を伝えるだけのものであれば、一方通行で終わってしまう。大切なのは、研究成果を参加者と共有し、課題の解決に向けて知恵を出し合うことである。新年度に向け、発表校の教職員だけでなく、参加者にとっても、学び多き機会となる参加型の研究発表の在り方を模索してみたい。