(鉄筆)児童のトラブル

(鉄筆)児童のトラブル
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 新年度が始まろうとする3月末、後輩の小学校校長が電話口で大きなため息をつき語り始めた。自校で最近急増する中国人児童のトラブル対応に悩んでいるという。彼が勤務する小学校は都心にある名門校と言われる学校。区内にはそうした名門校がいくつかありどの学校でも同じような状況が毎年のように発生しているという。

 東京都内に転居・移住する外国人の数は、最近増加傾向にあるが、特に中国の方の割合は他国に比べ圧倒している。23区内では2022年に18.6万人だったのに対し24年では23.2万人となり外国人総数の約40%を占めている。おそらく児童数もこの数字に比例しているものと思われる。

 他国と違う点は都心に転居してくる中国の方は富裕層が多いことだ。タワーマンションや高級住宅街への居住希望が多く、とりわけ先述の名門校がある地域が人気だという。都心の名門小学校を卒業し私立の名門中高、名門大学へと、かつての日本人の保護者が描いていた夢と同じ夢を彼らも描いているようだ。

 後輩校長の悩みは、子ども同士のトラブルに必ずと言ってよいほど保護者が出てきて問題をこじれさせる、自分の子は悪くはないと言い張り妥協ということを考えない、など。言葉がうまく通じないことや国民性の違いもあるかもしれないが、基本的には日本のモンスターペアレントと似たところもある。

 国際社会では常識だが「できないことはできない」とはっきり言うことは最低限必要であろう。こうしている間も校長はじめ教員の精神的疲労は蓄積され続けている。

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