熱中症の話である。「何を季節外れな話を」という、お叱りの声が聞こえてきそうな気がする。だが、熱中症について記させていただきたい。
総務省によると、昨年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は9万7578人で、調査開始の2008年以降で最多となった。しかし「教育機関」(小中高校など)における熱中症による救急搬送は年々減少、昨年は3885人(全体の4%)だった。各学校において暑さ指数計を活用し、暑い中での運動などの活動時間の制限をしたり、暑さに慣れさせるために無理のない範囲で汗をかきやすくする暑熱順化の取り組みを積極的に取り入れたりした熱中症防止対策の成果が出ているためだと考えられる。
5月には運動会や体育祭を行う学校も多いかと思う。同調査によれば、昨年の5月には成人を含めた全体で2799人が熱中症で救急搬送されている。「熱中症は夏」という思い込みを払拭しなければならない。当日だけでなく練習時にも十分に気を付ける必要がある。十分なクーリングダウンを行うなど、運動後への配慮も大切である。
4月中に「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」(環境省・文部科学省)を確認し、全教職員で暑さ指数を基準とした運動・行動の指針の設定、熱中症対策のための体制整備、指導の内容・方法の見直しを行い、早い時期から実施したい。
運動会や体育祭は子どもたちが楽しみにしている学校行事である。楽しい思い出だけが残るように熱中症防止の取り組みを充実させたい。