東京都渋谷区が全区立小中学校で午後の授業時間を探究「シブヤ未来科」にした取り組みがスタートして1年が経過。全国初の取り組みだけに進展具合が気になるところだ。
本紙3月31日号に同区教委・伊藤林太郎教育長のインタビュー記事が掲載。「計画通りにいかないのがほとんど」だが「多彩な探究学習が進んでいる」。教科学習への影響では「学習内容が終わらないなどの大きな問題は起きていない」。保護者の不安については「定期テストなどにおける学力に影響が出ているとは聞いていない」。教師は「子供と一緒に探究する、子供たちに伴走する」関わり方が他の教科でも生きている。学校により濃淡はあるが外部とのつながりが強くなった、などと報告。
2025年度は探究の中身に注目する、企業などの体験を充実させる、大学院生や大学生などによる伴走支援を充実させ、予算も取っていく、など頼もしい。
重点施策として「渋谷区教育大綱(24年2月改訂)に示した「つくろう。ちがいを活かし合える、未来の学校」の「つくろう」が大事と強調。「子供たちも自分たちの学校をつくるようにしていけたらいい」、「学校を『受け身の場』ではなく『チャレンジの場』にしていきたい」、その取り組みには「外部の方にファシリテーターをお願いする予定」という。
前提として教師がファシリテーターの力を付けることが必要だ。人任せでは支援・伴走はできない。従来の教え方から脱却し、子供の主体的な学びを支援・伴走する教師の先端の指導の姿を公開してもらいたい。