(鉄筆)闇バイトに走る若者

(鉄筆)闇バイトに走る若者
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 闇バイトに走る若者の問題が深刻化する中、認定NPO法人のD×Pが行った若者を対象とした闇バイトに関する調査結果を本紙が紹介していた。回答数が少なく回答者の7割が女性ということだが、回答者の平均年齢が20.1歳ということで学校関係者にとっては貴重なデータといえよう。

 注目されるのは闇バイトに興味がある層(検討層)とそうでない層(非検討層)との比較分析をしている点だ。特に「経済的に苦しい」「不仲で家族に頼れない」について検討層と非検討層との差が大きいことは興味深い。調査を行ったD×Pの今井理事長が言う通り、闇バイトを検討せざるを得ない若者が複合的な悩みを持っていることに留意する必要があるだろう。

 一方、闇バイトが社会的話題になっていることでマスコミなどを通じ若者に対し警鐘を鳴らしているにもかかわらず、この世界に入り込む軽率さというか浅慮さは気になる。闇バイトをやる理由として検討層の回答の中に「遊び・趣味に金が必要」「この先どうなってもかまわない」「闇バイトはお金が早く手に入りそう」が2~3割あることがそれを物語る。

 金銭を手に入れることの最優先事項が「簡単」「高額」であり、いかに経済的に苦しいとはいえ、犯罪者となり将来の自分の人生の大きな障壁となることまでは思いが至らないようだ。洞察力の欠如ともいえよう。

 次期学習指導要領では「質の高い、深い学びの実現」を目指していることが諮問で明らかとなった。深い学びが学習面だけでなく生活面にも生かされるような改訂を期待したい。

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