大型連休が明け、教員も子どもたち一人一人の特性を理解し始める頃である。それに伴い懸念されるのが学校生活への不適応問題である。子どもだけではない。この時期は教員にもその傾向が表れる。
公立学校共済組合が昨年6月に発表した「ストレスチェックデータ分析結果」によれば、教員の高ストレス傾向はここ数年続き、中学校・高校の教員の1割以上は高ストレス状態にある。年齢層は20~40代の働き盛りが多くストレスの要因として「事務的な業務量」「対処困難な子供への対応」「校務分掌」「保護者対応」が上位を占める。若手教員が増加する最近の状況を反映してか「対処困難な児童生徒への対応」の割合が高くなっている。
この分析は管理職がこれから配慮すべき点について多くの示唆を与えてくれる。一つは就労時間への配慮である。12時間以上の就労時間になると高ストレス者割合は急激に上昇し睡眠への影響が顕著となる。もう一つは周囲のサポート体制。上司や同僚からの支援があるほど仕事や生活の満足度が高く働きがいを強く感じるという。
昨年の9月に本稿で、管理職が行う授業観察などにおいて教員の自己評価に対する管理職の肯定的な評価並びに建設的な助言は教員の自己肯定感を育てると提唱した。今回の分析結果はこのことを証明している。
先の中教審の諮問ではないが、自分の考えを明確に持ち自律的に学ぶ自信のある教員を育てるために、教員の健康、言動・行動に配慮することが教員のウェルビーングにつながることを管理職は強く意識してほしい。