総合型や学校推薦型で新ルール 26年度大学入試実施要項を公表

総合型や学校推薦型で新ルール 26年度大学入試実施要項を公表
学校推薦型選抜で高校が作成する推薦書のイメージ例=撮影:藤井孝良
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 文部科学省は6月3日、今年度実施される「2026年度大学入学者選抜実施要項」を公表した。個別学力試験を行うのは2月1日以降を原則としつつ、総合型選抜や学校推薦型選抜でそれ以前に個別学力試験を実施する場合には、調査書などに加え、面接や小論文、受験生や高校からの資料などによる評価方法と必ず組み合わせて丁寧に評価することを定めた。実施要項では学校推薦型選抜で高校が作成する推薦書の参考例も初めて示された。

 これまでの実施要項では、個別学力試験を行うのは2月1日以降とされていたが、実質的に個別学力試験によって合否を決める学校推薦型選抜が一部の私立大学で行われていたことが問題となっていた。

 国公私立大学、高校の関係団体の代表者が合意した上で、26年度の実施要項では、従来通り個別学力試験の実施は2月1日以降を原則とする一方、総合型選抜や学校推薦型選抜でそれよりも前に個別学力試験を行う場合は、調査書などの提出に加えて、小論文、面接、実技試験などの活用か、志願者本人が記載する資料や高校に記載を求める資料などの活用といった評価方法と必ず組み合わせ、丁寧に評価しなければならないとした。

 総合型選抜や学校推薦型選抜は高校3年生の秋ごろに行われる「年内入試」となる場合が多いことから、個別学力試験を組み込む場合は、高校での学習状況や受験生の負担に十分配慮することも明記した。

 また、学校推薦型選抜の本来の目的を踏まえ、受験生が自らの意志だけで出願できるものではなく、特定の大学・学部で教育を受けるのにふさわしい能力や意欲、適正などを備えていると高校の校長が判断するものであることから、推薦要件は可能な限り具体的に設定し、募集要項などに示さなければならないとした。

 今回の実施要項では新たに、高校が大学に向けて作成する推薦書のイメージ例も参考として提示した。

 文科省高等教育局大学振興課大学入試室の片柳成彬室長は「しっかり守っていただくのが大事だと思っている。今回の議論の中でも、守ってもらえるようにルールをつくろうという意識で、大学・高校の関係者が知恵を出し合って今の形になっている」と話し、大学側に対して実施要項の順守を求めた。

 実施要項は6月3日付で、27年1月に実施される予定の大学入学共通テストの実施大綱と合わせて都道府県教育委員会や大学などに通知された。推薦書のイメージ例などは、文科省のウェブサイトで確認できる。

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 年内入試 大学入試の一般選抜は年明けに実施されるが、学校推薦型選抜や総合型選抜などは年内に行われ、進路が早めに決まりやすい。学校推薦型選抜・総合型選抜を行う大学・学部や、それによる入学者は増加する傾向にある。

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