第8回 タブレット端末活用でのしくじり事例

第8回 タブレット端末活用でのしくじり事例
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タブレット端末導入時のしくじり

 初めてタブレット端末を教室に導入した際、「使わせることが大切」と考え、ルールの説明を簡単に済ませてしまった。子どもたちは興味津々でタブレット端末を手に取ったが、すぐに勝手にアプリを開いたり、友達と撮影し合ったりするなどトラブルが続出…。そしてルールを押し付けてしまい、使用は停滞してしまった。

しくじり①「目的を伝えずにルールだけ押し付けた」

 「○○してはいけません」などと禁止事項ばかりを並べ立てても、子どもたちには響かない。なぜそのルールが必要なのか、タブレット端末を学校で使う本当の目的は何なのかを丁寧に説明することが必要だった。家庭での使用との違いを明確にし、「学びのツール」であるという意識を共有することから始めるべきだった。

→代替案:最初に「なぜ学校でタブレット端末を使うのか」を子どもたちと話し合い、家庭での娯楽目的とは異なる学習ツールとしての意味を共有する。

しくじり②「一度に全てを完璧にしようとした」

 初回の指導で全てのルールを覚えさせようと詰め込み過ぎた結果、子どもたちは混乱してしまった。タブレット端末のリテラシーは一朝一夕では身に付かない。基本的な約束から段階的に教え、慣れてきたら少しずつ範囲を広げていく方が効果的だった。

→代替案:初回は「電源の入れ方・消し方」「正しい持ち方」など基本操作のみに絞り、授業回ごとに新しい機能を一つずつ追加していく。

しくじり③「トラブルを避け過ぎた」

 問題が起きることを恐れて、使用場面を極端に限定してしまった。結果として、子どもたちは「失敗から学ぶ」機会を失い、自分で判断する力が育たなかった。適度にチャレンジできる環境を設定し、小さな失敗を通じて学習させることの大切さを痛感した。

→代替案:「安全な失敗」ができる環境を意図的につくる。例えば、指定されたサイト内での自由な検索を許可し、不適切なページに遭遇したときの対処法を実体験として学ばせる。

しくじり④「保護者との連携を怠った」

 学校でのタブレット端末使用について、保護者への説明が不十分だった。「学校でゲームをしている」という誤解を招き、厳しい指摘を受けることに。学校での教育目的と家庭での使用の違いを事前に丁寧に説明し、協力を求めるべきだった。

→代替案:保護者会の中で、実際の使用場面を動画で紹介する。家庭でのルールづくりもサポートする。

 タブレット端末は「管理するもの」ではなく「共に学ぶツール」だということ。子どもたちの主体性を大切にしながら、安全で効果的な活用方法を一緒に見つけていきたい。

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