現在、中教審教育課程企画特別部会において論点整理の討議が続けられている。5月22日の部会では「質の高い探究的な学び」のテーマでさまざまな資料が提示された。
事務局提示の資料に小・中学校とも総合的な学習の時間を中心とした探究学習の時間が増加していること、探究学習を行う子どもは自分の考えをまとめたり学び方を考え工夫したり、あるいは地域を良くするために行動を起こしたいと考えたりするなど汎用的能力が身に付いている傾向にあるといった全国学力調査のデータを紹介していた。
同時に課題も提起している。それは教師主導や調べ学習中心のいわゆる「浅い学び」の探究学習も少なくないというものだ。
現行では総合的な学習の時間だけでなく教科学習に対しても探究活動を求めている。教科において質の高い探究学習にするには課題設定段階で教師が「見方・考え方」を重視した資料提示と発問を用意すること、生活の中の事象に対し「なぜ」の発想を持たせるなど授業以外の時間でも子ども自身が考える習慣を教師は常に意識すること、ポートフォリオ評価のように子どもの考えや疑問に対する適切な助言を教師がルーブリックを基に行い教師と子ども、他の子どもも共有する機会を設定することなどが考えられる。
それには教師のための事前・事後学習の時間の確保は必須であろう。さらに、教科書には精選された学習内容のみ記述し詳しい内容はICTで子どもが自ら探索するといった学習システムを前提とした学習指導要領に対する発想の転換が必要ではないか。