保護者から厳しいクレームの電話が入った時、「事実と違う」と感じた瞬間に反論してしまった。保護者の話を最後まで聞かずに「それは誤解です」「そんなことはありません」と言い返した結果、保護者の怒りはさらに増大。翌日には管理職同席での面談を要求される事態に発展してしまった。
事実と違うことを言われると、つい「違います」と口を挟んでしまいがちになる。しかし、保護者が話している最中に反論することで、「話を聞く気がない」「子どもの気持ちを理解していない」との印象を与えてしまう。まずは保護者の気持ちを受け止め、「そのように感じられたのですね」と共感を示すことが大切だった。事実の確認は、相手の話を十分に聞いてからでも遅くない。
→代替案:「お子さんのことでご心配をおかけして申し訳ございません」「そのように感じられたのですね」など、まずは保護者の気持ちを受容する言葉を使う。
担任としての責任感から、「自分で何とかしなければ」と思い込んでしまった。しかし、感情的になったクレームは一人で対応するには限界があり、むしろ状況を悪化させてしまった。
→代替案:クレームを受けた時点で「詳しく調べてお答えしたいので、少しお時間をいただけますか」と伝え、学年主任や管理職に報告・相談する。
保護者から「なぜこんなことになったのか」と問われた際、慌てて推測で答えてしまった。後で事実と異なることが判明し、「うそをついた」とさらなる不信を招いてしまった。
→代替案:「確認してから正確にお答えしたいので、明日までお時間をいただけますか」と伝える。推測で答えず、事実確認を徹底する。「お子さんのために正確な情報をお伝えしたい」という姿勢を示す。
保護者の話が長引いても、「途中で切るのは失礼」と思い、2時間以上も電話で対応を続けた。結果的に同じ話の繰り返しとなり、お互いに疲弊してしまった。
→代替案:最初に「30分程度でお話をお聞かせください」と時間を設定する。時間になったら「一度整理させてください。後日改めてお時間をいただけますか」と提案する。
クレーム対応で重要なのは、「気持ちを理解しようとする姿勢」と「一人で抱え込まない連携」。事実の正誤よりも、まず保護者の心配や不安を受け止めることが信頼関係構築の第一歩である。そして、冷静な判断のためには、必ずチームで対応することが不可欠である。