(鉄筆)「先延ばし」と「前倒し」

(鉄筆)「先延ばし」と「前倒し」
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 小欄「鉄筆」にも原稿の締め切りがある。おおよそ締め切りの日は事前に予測できるので、それに間に合うようにネタを集めるようにしているが、時にはうっかり失念し冷や汗をかきながら執筆することもある。

 生活の中には多くの締め切りがあり、世の中が円滑に回っていくためには必要なものであると多くの方が十分に認識していると思う。学校でもさまざまな締め切りがある。子どもの家庭学習、教員の担当の校務についての提案など締め切りがあることで学校運営が円滑になる。

 このような中でいつの間にか締め切りより早く仕上げることが「よいことだ」と思い込んではいないだろうか。学校では「5分前行動」が推奨される。予定時刻の5分前には次の行動ができる態勢にすることが良とされる。

 安達未来大阪電通大准教授著『締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか「先延ばし」と「前倒し」』の心理学』(光文社)を読んだ。締め切りを過ぎる「先延ばし」は一般的にはよくないとされる。この本では心理学の知見をもとに、学習者にとって課された課題が役に立ち興味がある場合、「先延ばし」は十分な思考時間を確保し創造性を高める効果があることに触れている。

 自由進度学習を実践している学校があると思う。質の高いパフォーマンスを得るために、子ども自身の特性をはじめ課題の質や提示の方法、子ども自身の課題か教師からの課題か、取り組みの方法や時間、一緒に学習するメンバーなどさまざまな要因を考えて進めていくことが大切ではないだろうか。

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