今年は男女雇用機会均等法制定40周年ということで女性の働き方に関する報道などが目に付く。40年間で女性の労働環境は改善されたのか。教育に関して言えば話題は少ないように感じる。その理由は他の分野に比べ教育界は女性の雇用に関し優等生だからである。
例えば、産休・育休制度が昔から確立されており結婚後に退職する女性教員の割合は低い。女性も活躍できる職場の一つであると言ってよいだろう。政府が2020年に定めた「第5次男女共同参画基本計画」では25年までに各分野における女性の地位向上に関する成果目標を挙げているが、小・中学校における女性校長および教頭の割合は、目標値の20%、25%がすでにほぼ達成状態にある。分野全体での達成率がおよそ20%ということからも教育分野の優等生ぶりが分かる。
それでも教員不足問題は解消されていない。現在学校が抱える「働きにくさ」を考えてみよう。働きにくい職場環境を作る要素の一つが管理職の資質である。今の時代に求められる管理職像とは教員一人一人の能力を引き出しやる気を出させるリーダーであろう。トップダウン式の管理職は子どもが荒れているような学校を除き中長期的には不向きだ。管理職は学校の課題に対し教員一人一人の考えを聞き課題解決のための対策を立てるとともに教員がウェルビーイングに浸れる職場づくりを目指すべきである。
「この管理職なら一緒に働きたい」と思わせる人間力を持った管理職の配置こそ性別に関係なく人を職場に引き寄せる一番の処方箋ではないか。