(鉄筆)どんな表情

(鉄筆)どんな表情
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 夏休みが近づいてきた。子どもたちは休みだが教師は勤務である。しかし、授業はなく子どもたちもいないのでゆとりがあるだろう。このゆとりを使ってこれまでの教育活動を振り返り、夏休み以降の準備をする教師が多いと思う。

 ある一般紙に選挙ポスターの候補者の表情が笑顔だと得票率が上がる、という研究結果が掲載されていた。米国の心理学者アルバート・メラビアンも、相手に感情を伝える際に言葉そのものよりも表情などの非言語的な手掛かりの方が影響力が大きいとしている。

 今、多くの学校で授業研究が行われ、その際の授業記録はほとんど文字で記される。特にICTを活用して児童生徒が自分の考えを教師に提出したり友人とやりとりしたりする際は文字が中心になる。映像や音声の記録があっても研究協議会で中心となるのはその内容だ。授業改善のためには教師の発問や児童生徒の発言などが重要であり、そのことには賛成する。

 子どもが考えを持てたこと、それを発表できたことを教師として肯定的に捉え認めていることは、単に文字言語や音声言語だけでなく教師の表情が大切ということではないか。授業中の教師と子どものやりとりがICT機器を介することが多くなってきている今だからこそ、直接やりとりする時の表情を大切にするべきだ。

 ゆとりのある夏休みにどのような表情で子どもに接しているのか、子どもが予想もしない反応をした時にどのような表情をしているかを鏡を見ながら振り返り、休み明けからの授業につなげていくことも必要だ。

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